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音が主導権を握っているがゆえに、まさしく音速で心の奥底に到達できるのが音楽。しかし、歌詞に比重を置きすぎると言葉の意味をキャッチするための思考の過程が加算されるので、どうしても速度が落ちる。その点、音が主体だと聴覚に到達した時点で作用が完了する。そういう音の特性に忠実なことをやっているのがこのバンド、スサシだ。あからさまに凶悪なビート、三半規管のバグを誘発する音像、地獄行きの穴を地面に開けかねない重低音、自己主張がやたらと強い「り」と「ぷ」の音が激しく渦巻く“鱗粉”をまずは試しに聴いてほしい。電車の中で聴いているのに人目を憚らずに手足をクネクネしながら踊り狂うリスナーが発生したとしても、不可抗力だったと納得できる問答無用の刺激がここにはある。ライブハウスでの無礼講な爆音コミュニケーションがありありと目に浮かぶ“FLY!!”、理性ゼロ本能MAXの雄叫びシンガロングを誘発する“ラララ”も収録された今作は、素敵な劇薬。徹底的にピュアな音響体験を届けてくれる。(田中大)(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年4月号より)
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