【インタビュー】NELKEはますます大人に、そしてバンドになっていく──最新曲“Chapter”を通して語る、挑戦と進化の日々 - All photos by 橘 麻子All photos by 橘 麻子

【インタビュー】NELKEはますます大人に、そしてバンドになっていく──最新曲“Chapter”を通して語る、挑戦と進化の日々

メジャーデビュー曲“Bouquet”リリースからわずか1ヶ月半、次なる一手を繰り出してきたNELKE。“Chapter”と題された新曲は、どこか物憂げでノスタルジックな響きを宿しつつも全体としてはダンサブルなシンセポップ調で、コーラスとしてタケダトシフミ(B)の歌声が入っていたりと、これまでになかった一面も大胆に取り入れた意欲作となった。とは言っても、その新しさはお仕着せのものでは全くなく、ちゃんとこれまでのNELKEの延長線上にあると感じられるのが嬉しいポイント。急速に活動規模を拡大し、メジャーレーベルに移籍したりと傍目にも激動の季節を過ごすことでむしろ、この5人の音が織り上げるNELKEサウンドの輪郭は、よりシャープに浮かび上がってきた気さえする。現在敢行中の過去最大規模のツアー、そのファイナルとして7月に控える初のホールワンマン、秋からの対バンツアーと、まだまだアクセルを緩める気配のない彼らの現状認識と、新曲の制作過程について訊いた。インタビュー=風間大洋

メジャーデビューからまたさらに認知度が伸びてる感覚はあって。ジワジワと知れ渡っていってる(Kei)

──ツアーが始まったタイミングでのインタビューですけれども、ネタバレにならない範囲で感触はどうですか?RIRIKO(Vo・G) 進化してるなと思います。今回は規模感が大きいのもあって。ちゃんしお(Key) 初日から、前回のツアーの「Diary」よりもお客さんの迫力ある反応が返ってくる感じはありますね。Kei(Dr) 前回のツアーから中1ヶ月しかないんで、お客さん的にもきっと「言うて何も変わらんやろ」みたいな感覚も多少あったと思うんですけど。意外と僕たち変われてるなっていう。RIRIKO ライブのストーリーの付け方とか、あえてちょっと落とすタイミングを入れたりもしていて。今までは結構、全部聴きどころ!みたいな、ずっと主役級の曲が続くセットリストを組んでいたなと。今回は引き算みたいなことも活用できた組み方だと思います。伊藤雅景(G) 「Diary」の頃からそこまで曲目自体は変わってないですけど、ガラッとセトリを変えられるようになったのはデカいですね。新しい演出とかも含めて一新したら、レパートリーの多さがより映えるようになったんだと思います。RIRIKO 確かに。あとはちょっと意識してるのが、めっちゃお腹いっぱい大満足で帰ってもらうより、次も来たくなるような、あっという間だったなと思ってもらえる組み方やテンションの付け方、メンバーのパフォーマンスの見せ方とか。最後の曲でめっちゃクライマックス!ってやるよりも、ちょっと大人な感じで、まだ続きがありそうな余白を残してフィナーレを迎えるように。ちゃんしお 曲数自体は増えてるんだけどね。RIRIKO なのに「あっという間だった」っていう声が多いのは狙い通りにいったなと思ってます。
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──ワンマン以外も依然として積極的に出ていってるし、認知が広がっていってることも実感できてるんじゃないですか。Kei SNSとかを見ていると、4月のメジャーデビューからまたさらに認知度が伸びてる感覚はあって。ジワジワと知れ渡っていってるのは感じます。伊藤 ツアーが始まったっていうのもあるよね。初日の反響が知らん人まで届いて、みたいな。タケダ ファンもNELKEで検索してくれたりするから。RIRIKO そうそう。パブリックサーチ?(笑)──タケダさんはツアーの感触はどうですか?タケダ 「Diary」と今回の「VAST RESONANCE」で、意外と別物だなというか。ちゃんと進化できてるんだな、レベルアップしたんだなっていうのは、ほんの数ヶ月の間ではありますけど感じられて。同時にまだまだ止まれないな、これからだなというのも思いますね。──まだまだ止まらんぞという姿勢は、このリリースのスパンにも表れていますよね。“Bouquet”から1ヶ月半ほどで新曲“Chapter”がリリースされましたけど、制作タイミングは近かったわけですよね?RIRIKO 近かったです。それこそメジャーデビュー曲として“Bouquet”を作りながら、そのカップリングみたいな曲ばっかりできちゃう期間みたいなのがあって(笑)、そのうちの一曲が“Chapter”だったんですよ。だから、なんなら早さとしてはこっちが先にできてて。レコーディングやフルサイズ尺を作ったのは“Bouquet”のあとなんですけど。
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シンセを入れるのは色が違いすぎるんじゃないか?と最初はドキドキしながら弾いてた(ちゃんしお)

──だからか、印象としては“Bouquet”と対になってる感じはしました。NELKEの構成要素の中で、“Bouquet”では出てなかった側が出てるというか。RIRIKO めっちゃわかります。NELKEらしさで言えば、こっちはあんまりないのかな⋯⋯? ちょっと新しいNELKEみたいな感じですね。──サウンド面ではおっしゃる通り新しさの割合が大きい曲ですけど、歌詞のテンションとかは“Bouquet”と対照的な儚い系で、それ自体はこれまでのNELKEでも魅力の一つだった部分ではあって。RIRIKO ああ、そうですね。ダウナーとまでは言わないけど、元気というよりは一定な感じを意識しています。タケダ 俺のイチオシです、“Chapter”は(笑)。デモが来た段階から、俺は「めっちゃいいじゃん」「メジャーデビュー曲はこれでもいいんじゃないか?」って話もしたくらいだったから、今回はディレクションで結構口を挟んだし、自分が歌ったりもしてるので新しい一面になってるんじゃないかな。RIRIKO トシくんが好きな曲だろうなと思って書いたので(笑)、アプローチの持っていき方もトシくんに聞いてみるのはいいだろうな、詳しいだろうなと思った曲でした。タケダ まんまと引っかかった(笑)。ベースをこうしたいからドラムはこうしてとか、こういう音のストリングスを入れたいとか、こだわった部分も含めてアレンジし直してくれて、より自分の中のイメージも鮮明になっていきましたね。RIRIKO アレンジは上物のフレーズが目立つから、どちらかと言えばスタジオでも雅景やちゃんしおと話すことが多くて、リズム隊にはお任せすることも多かったんですけど、歴代の曲の中でもいちばんトシくんの口数は多かったです(笑)。自分以外の声を入れてみたのも初挑戦で、今まではコーラスも自分が歌ってたけど、今回はちゃんしおとトシくんに歌ってもらうことで人数感とか、ライブでやった時の広がりが出るだろうなと思って。タケダ 裏テーマとしてはツインボーカルだから。RIRIKO いずれボーカルの座を狙ってるらしいです(笑)。──実際、クールな色気があってよかったですよ。RIRIKO そう! 「トシくんの声には色気がある」ってみんなでディレクションしながら⋯⋯笑ってたんですけど(笑)。──もうひとりのコーラスでもある、ちゃんしおさんは今回シンセも弾いてますよね?ちゃんしお そうですね。実はわたしの鍵盤のキャリアとしてもシンセを入れたのは初で。今までピアノとエレピ、たまにオルガンっていう感じだったんですけど、RIRIKOのデモのアイデアから試してみたら、意外とバンドらしさやNELKEらしさは残って。シンセを入れるのは色が違いすぎるんじゃないか?と最初はドキドキしながら弾いてたんですけど。伊藤 デモで聴いた時は結構ドギツい、シンセ!!って感じの音だったけど、ちゃんしおが弾いたら馴染んだのがすごいなと思った。シンセって紙一重なんだろうね。ちゃんしお ね。ピアノを同じレイヤーで重ねてみたり、音色もいろいろ試しながらやったのもあって、シンセすぎないというか。ちょっと気だるさも残しながら、新しい刺激を入れられたと思います。
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次のページデモの段階では今までとのギャップを感じるかなと思ってたんですけど、やっぱりみんなの音とプレイによってNELKEになる(RIRIKO)
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