【インタビュー】NELKE、新たな色彩のロックで時代を揺らす! あらゆる「境界」を超えて放つ最新作『In Liminal』を語る

【インタビュー】NELKE、新たな色彩のロックで時代を揺らす! あらゆる「境界」を超えて放つ最新作『In Liminal』を語る
昨年来ずっとNELKEをマークし、取材も続けている筆者ですら、この半年のバンドの動きを振り返った時に「ん? あれはいつだったっけ?」と混乱するほど活動の密度が濃い。あまりに濃い。1月にリリースしたEPとシングル、アルバム1枚をひとつの区切りとして、Zepp DiverCity公演でメジャーデビューを発表。そのツアーの追加公演が終わったかと思ったらメジャー1stと2ndシングルを連発。そして仕上げとばかりに到着したのが、この最新EP『In Liminal』だ。そんな忙殺必至の日々の中でも、NELKEは都度打ち出すべき最適解を狙い、見出し、次のステップへと進んできたのだということが、収録された4曲からは手に取るように伝わる。シングルにもなった2曲でバンド音楽のダイナミズムとポップスとしての浸透力の両面を打ち出し、新曲では本文内での表現を借りれば「お茶の間」を射抜くキャッチーな魅力も全開放。世代的にもジャンル的にも複数の力学と美学に触れてきた強みを遺憾なく発揮している。初のホールワンマンを控えCMタイアップも決まった今、あらためて5人の現状認識と率直な心境に触れてみてほしい。

インタビュー=風間大洋 撮影=鳥居洋介


昭和の親に育てられたのに令和を生きないといけない、
そういう曖昧なところにいる平成世代の共感を得られるように作ってる

──「境界」「間」という意味を持つタイトルがなかなか示唆に富んでいて。

RIRIKO(Vo・G) もともと世代的にもずっと間にいるなぁという感覚があって。昭和の親に育てられたのに令和を生きないといけないし(笑)、そこでSNS世代と戦わなきゃいけないのか、もしくは架け橋になるのかみたいな。そういう曖昧なところにいる平成世代の共感を得られて、自分たちも等身大でいられるように作った4曲ですね。

──音楽の潮流で言っても、2000年代の音にモノを言わす美学と10年代に求められたエンタメ性、20年代以降のサブカルやネット文化との交わりを、全部踏んできたうえで取り込んでいるバンドでもあって。

伊藤雅景(G) その狭間にいることはめちゃくちゃ自覚してます。00年代的な時代感を俺はもう隠せないから(笑)。好きなモノを出したらどうやったって00年代の音のテイストが入ってしまう、そこをミックスできてるのはメンバーそれぞれの聴いてきた環境や今好きなものが入ってるからなんだなって。逆に俺は、もうちょっと最近の曲もディグらないと──。

Kei(Dr) 曲に対するリファレンスを共有した時に、結構有名な曲でも雅景さんだけ知らないことがわりとありますよね。

一同 (笑)。

伊藤 最年長だし、ちょっと置いてかれててやべえんじゃないかな、みたいな(笑)。

──逆にわりと新しいものも追えてるタイプで言うと誰なんですか?

Kei RIRIKOがいちばん常にディグってる気はしますね、TikTokとかで。⋯⋯みんなやってる?

ちゃんしお(Key) やってる。

Kei 俺はアプリを入れてすらいないんで。

ちゃんしお ちょうどTikTokをやらない世代?

RIRIKO それも『間』なんじゃない?(笑)

タケダトシフミ(B) 俺は見る専だけど、流行はガン無視してる。メンバーで俺だけシティポップとか聴くし、いちばん自分勝手かも。

──その中でRIRIKOさんはコンポーザーとしてトレンドも把握するため、意識的にいろいろ触れにいってる。

RIRIKO そうですね。長らくちゃんとエンタメとして音楽を楽しむというより、勉強になってるかもしれない。インプットは大変だし、年下の子たちの再生数を見て悔しかったりしますけど、(自分の中に)取り入れたら確実に次のメロディが出るので、グググッてなりながらやってます(笑)。

──ちゃんしおさんは今の話でいうとどんなタイプですか?

ちゃんしお もともとSNSの発信や新しい情報を仕入れる習慣は、同年代と比べたら若干あるのかなって。でも、まだ誰も知らないみたいなアーティストを見つけてくるのはKeiくんなイメージはあります。

Kei 僕はライブハウスをうろちょろしてるんで、ただの興味本位ですけど、みんなが話題にしてるバンドが出てたら観に行ったりはあります。

──狭間の立ち位置からシーンに相対するNELKEの「立脚すべきはここ」っていう感覚は、活動の中で変わってきているものですか?

Kei 俺はお茶の間にも出られるようなバンドでありたいし、でもライブを観たらめっちゃかっこいいんだ!っていう、どっちもちゃんとできるようになっていきたいですね。

RIRIKO 世代のわりに、SNSで見つけてくれた方のおかげで道筋を作れたバンドだなと思っていて。それゆえに画面上の平面で観た時と、生身のパフォーマンスと音の圧とで、いいギャップを作れたらなって。

タケダ ロックな部分というか、ライブ力はやっぱり捨てたくないよね。

伊藤 音もめちゃくちゃこだわって作ってるんで。昨今、ステージ上で鳴ってる楽器の少ないバンドも増えてる中で、フル持ち込みの生音で勝負してるのは一個自信でもありますね。

RIRIKO 音がいいって言われることも最近増えたんですよ。


NELKEの曲は、主人公感がある。そこを大事にしたい

──今作もライブの光景が浮かぶ曲ばかりですからね。これでメジャーデビューからの一連のリリースラッシュはひと区切りという感じですか?

RIRIKO 第一陣はこれになるかなと思います。わりと同時並行で作った曲たちなので、“Echo”も“Chapter”と同じように“Bouquet”に向かう中でできた種のひとつです。“Greedy!!”は日本工学院さんのお話があっての曲ですけど、タイミングとしては4曲同時に近かったです。

──出た順番は“Bouquet”“Chapter”が先でしたが、あらためてNELKEのストーリーの中でどんなものを背負った2曲だったと思いますか?

RIRIKO “Bouquet”はとにかくメジャーの一発目になるという責任感を預けられるように、メジャー感をちゃんと出したくて作ったので。本当にできてよかった、ホッとした曲です。

──NELKEにとってのオープニング主題歌と表現されてましたよね。

RIRIKO そうなんですよ。NELKEの曲はアニメソングとかに合いそうだね、いつか使われたらいいねという話をいただくことも多いし、最近は曲を作る方々からもよく「主人公感がある」って言っていただけるから、そこを大事にしたくて。“Chapter”は今まで作ったことのないような曲で、デモの段階では「このダウナー感はNELKEで出るのかな?」という感じだったんですけど、メンバーが音を鳴らせばちゃんとロックも兼ね備えた4つ打ちポップ、自分たちの今できるポップとしていい存在になってくれたなって。強い曲が多い中でちょっとイージーに聴けるから、多くの人に届くために頑張ってほしい曲だと思ってます(笑)。

タケダ シンセメロだったり、俺やちゃんしおが歌うのが受け入れられない不安もあったけど、意外と反応もよかったと思うし、何よりNELKEでこの方向性ができるんだって気づきが『In Liminal』のキーになったというか。


──同時期にできたという“Echo”はどうですか?

RIRIKO 疾走感があるけど淡いコード感とかは“Bouquet”とも通じるけど、爽やかな曲に仕上がったなという感じですね。もしこの曲を表題にするとなっていたら、もっとストリングスや電子的な音を入れたりしたかもしれないんですけど、今回は生バンドだけで勝負しました。

伊藤 俺的にはいちばん趣味が入っていて。爽快感や青い感じがグラデーションでだんだん広がっていくのを表現できたと思いますね。

──かなりタイトでライトな印象で。

RIRIKO 軽めで生感の少ない曲がNELKEにあってもいいんじゃないかっていうので、イントロは一定な感じを意識して作ったんです。それってちょっとサウンド的に若くなるんですよ。若いクリエイターやボカロっぽい要素の入った感じも伝わるようにしたくて。

──夏前あたりのリリースにぴったりな爽やかさもありつつ、ちょっと儚さや焦燥感も感じさせて。

RIRIKO 儚さはマストで入れたいのかも。っていうか、自分がピンとくるのがそうなんだと思います。

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