表題曲はドラマ『緊急取調室』の書き下ろし主題歌。影のある鍵盤を軸にしたメランコリックでドラマチックなサウンドと切迫感に満ちた長屋晴子のボーカルが強い。秘密を暴くためにのっぴきならない心理戦を繰り広げるドラマと重なりながらも、秘密を抱えて生きる苦しみや、大切な人の秘密を知ってしまった時の愛憎を歌い、様々な角度から「秘密」を解体する。

カップリングは2曲。映画『都会のトム＆ソーヤ』書き下ろし主題歌の“アーユーレディー”は長屋と小林壱誓のツインボーカルから始まり、フレッシュな冒険心が歌われるポップソング。映画の登場人物が困難を乗り越えながら前進する様を体現するかのようなカラフルでアグレッシブな展開があり、《届きそうだ／どんな未来も君となら》というひとつのゴールにたどり着く。“これからのこと、それからのこと”は瑞々しいアンサンブルとコーラスワークで晴れ晴れしく未来に突き進む。歌もサウンドも歌詞もより巧みさと豊かさが増し、さらにリョクシャカをお茶の間に広げていくであろう強力なシングルだ。（小松香里）

『ROCKIN'ON JAPAN』9月号より