解像度は高まるが、謎も深まる

WurtS『Radio Sausage』
発売中
DIGITAL
WurtS Radio Sausage
PEOPLE 1のItoをフィーチャーした“リトルダンサー”を含む3曲入りEP。既に公開されている“リトルダンサー”のMVは歌詞も連動したドラマ仕立ての謎解き形式になっており、聴き手をより深くその作品世界へ没入させる仕掛けが用意されている。SNSでは自分自身を「音楽家」であり「研究者」であると語るWurtS。そんな彼の、謎も多ければ情報も多いセルフプロデュースによる作家性・作品性は、音源を出すたびにコンセプトを強固にしながら、様々な他者やメディアを巻き込み、そのスケールを拡張しているようだ。

1曲目“リトルダンサー”は遊び心も楽しいダンスポップ、2曲目の“オブリビエイト”は“分かってないよ”の系譜に連なる疾走感溢れるギターロックで、3曲目“Capital Bible”はタイプビートを使って作られたラップソング。特に、これまではオルタナティブロック的な手法が際立っていたWurtSが、“Capital Bible”においてエモラップに接近したことは興味深い。彼がつながろうとしているのは、この時代を生きる人間の奥底にある「精神」なのだろう。(天野史彬)

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