NHKの子ども向けSDGs番組シリーズ『ひろがれ！いろとりどり』テーマソング。今回は、『YOASOBIとつくる 未来のうた』プロジェクトで、子どもたちから募集してグランプリに選ばれた、15歳の乙月ななが書いた物語『小さなツバメの大きな夢』をもとに作られた。こういう企画も、「小説を音楽にするユニット」のYOASOBIならでは。そして楽曲には、子ども向けSDGs番組という新しい切り口と、こどもユニット「ミドリーズ」が一緒に歌い踊るという要素も含まれる。そもそも、近年も子ども向けソングは大人まで巻き込んでヒットしたものが多いわけで、重責だったかもしれないが、どの角度から考えてもYOASOBIにしか取り組めなかった楽曲だと思う。

歌詞は決して単純ではない。漢字が多く、深読みが必要な意味合いもある。しかし、そこからは、子どもを子ども扱いせずに向き合っていることが伝わってくる。さらに、和風の馴染みやすいメロディからは、何度も歌い踊ることで知識や感情にも染み渡っていく可能性を感じる。YOASOBI自身にとっても、これは大きな一歩となったはずだ。（高橋美穂）

『ROCKIN'ON JAPAN』12月号より