人が歌詞にしないこと、テーマにしないことを音楽にして、聴き手を驚かせ、バズを巻き起こすトリックスター。オーダーに応じて音楽を作れる、高性能職人クリエイター。赤裸々な心情を叙情的な言葉と美しいメロディにする、シンガーソングライター。等のいろんな側面を持っており、すべてをフル回転させてさいたまスーパーアリーナまで駆け上がった
岡崎体育だが、そこで一区切りついたがゆえに、以降は「どれかやめる」とか「どれかに絞る」という可能性もあったと思う。が、このニューアルバムを聴いて、安心した。どれもやめていない。で、どれも、自己模倣ではなく、新しい表現になっている。サウンドプロデューサーを3人起用、元
TOTALFATのKuboty、
夜の本気ダンス鈴鹿秋斗、
ハンブレッダーズでらし、
syrup16g中畑大樹などのプレイヤー勢も参加。あと、「岡崎体育にネタにされた」と怒る人を見るたびに、「そんなマジにならんでも」と、なだめたくなったが、5曲目で自分の仕事をネタにされてわかりました。イラッとくるもんですね、痛いとこ突いてくるだけに。何度も泉大津で書いたし、俺。(兵庫慎司)
『ROCKIN'ON JAPAN』12月号より