ロックはかくも鋭くなれる

DOES『The World’s Edge』
2009年04月29日発売
ALBUM
DOES The World’s Edge
4つ打ちのビートのDOES流解釈“レインボウ・セブン”“ワンダー・デイズ”。メタルとフラメンコが正面衝突したような“インディゴ”。ギターとベースが同じラインを辿って疾走する超シンプル&鋭角なロックン・ロール“デイ・サレンダー”。“曇天”“陽はまた昇る”“世界の果て”といったシングル曲を含め、3枚目のアルバムとなる今作でのDOESは実にバキッとしている。心にもやもや渦巻く諦念や倦怠をオルタナ特有の灰色のコードに託していたデビュー当時のDOESはここにはいない。初めてギターを手にした少年のような貪欲さでもってロックの刃を鍛え上げ、メタルだったりハード・コアだったりとアレンジのキャパシティを次々に広げている。そして同時に、文字通り世界の果ての「その先」をその眼で見て、その手で描くことに何のためらいも感じていない。そして、“太陽病”“君の好きな歌”“世界の果て”のラスト3曲。身を焦がす熱と、狂おしいほどのロマンと、凍てつくような魂の極北の風景……つまりロックの3つの極みが惑星直列を果たして迎える今作のエンディングは壮絶。(高橋智樹)
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