2枚組で全30曲収録のオールタイムベストアルバムなのだが、DISC1とDISC2の頭に入っている“原罪と福音”と“仏だけ徒歩”の、新曲2曲について、ここでは書きたい。ぜひとも書きたい。どちらもすごいインパクトなので。
《どうして生きるのか僕は本当のとこを知りたいし是としたい》で始まり、《誰一人残さずに/信じたいもっと尊厳の値打ちを》で終わる“原罪と福音”は、東京事変版“ボヘミアン・ラプソディ”では、と言いたくなるほど、壮大で美しくて感動的な曲。“仏だけ徒歩”は、浮雲と椎名林檎のツインボーカルで、サウンドもメロディも情報量がありすぎて、ヘッドホンで聴いていると脳がクラクラしてくるタイプの、東京事変流バンドサウンドの極みのような曲。どちらも、これまでの東京事変が持っていたものを踏襲しながら、同時に新しいドアを開けている。ベスト盤ということは一区切りなんだろうし、またしばらくは動かない可能性もあるが(元々恒常的に動いているバンドではないし)、次に動き出す時の新しい火種は、確実に宿している曲だ、どちらも。次も楽しみ。(兵庫慎司)
《永平寺》と《深大寺》のとこ特に好き
東京事変『総合』
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