メンバーの共通項としてLOSTAGEやpaioniaの存在があったようだが、音を聴けば納得する。アンサンブルの妙と、心に嘘をつかないための歌を突き詰めようとする姿勢が楽曲から伝わってくる。今作は特に歌とバンドアンサンブルの一体感が絶妙。この進化はバンドが音楽的な斬新さを手に入れようとしたのではなく、むしろ、彼らが奏でる音楽の源流にあるハードコアやエモの本質に辿り着こうとしたからこそ手に入れたものなのではないか。だって、私はスーパーチャンクやキウイロールを思い出した。
歌詞には一貫した世界観を感じる。それは「今この瞬間を駆け抜けたい」という意志で、しかし享楽的な刹那主義ではなく、人がその生を謳歌するための切実な意志として、である。(天野史彬)