タイトル通り、菅田将暉が2020年から2021年にかけてリリースした楽曲をまとめた作品。前作『LOVE』以上に多方面に拡がったコラボが詰まっていて、まさに「コラージュ」という言葉がぴったりだ。中村倫也との“サンキュー神様”では仲よしフォークデュオのような爽やかさ。OKAMOTO'Sとの“Keep On Running”ではロックンロールボーカリスト。Creepy Nutsとの“サントラ”ではヤンチャでパンキッシュなムード。RADWIMPS・野田洋次郎との“うたかた歌”では、しっとりと柔らかなハーモニーを響かせている。この多面性は、彼が俳優業で培ったセンスが――みたいな話ではなく、ただ菅田将暉という人間にある、さまざまな刺激の中に飛び込んで遊ぶのが大好きな無邪気さの賜物だと思う。アーティストとしての自分のキャラクターや方向性を決め込まず、その場で生まれる音楽に全力投球しているから、これだけ幅広いジャンルの楽曲でもちゃんと「菅田将暉」なのだ。そして、そんな彼に友として寄り添い、その時々の菅田将暉に必要な楽曲をちゃんと贈る石崎ひゅーいの才能にも惚れ直す。（後藤寛子）

『ROCKIN'ON JAPAN』4月号より