いつの時代もパンクロックは謎

ハルカミライ『ニューマニア』
発売中
ALBUM
ハルカミライ ニューマニア
速くて激しくてコンパクトで、シンプルで歌メロがはっきりしていて、言葉が明確に耳に入ってくる、ニッポン型のパンクロック。ザ・ブルーハーツの登場以来、なのでもう35年以上、その時代その時代における、そういう音楽を聴いていたことになるが、正直、それだけ聴いてきていても、いまだにその方程式がわからない。音楽スタイルとしては同じなのに、なんで俺はこっちのバンドは大好きで、あっちのバンドは苦手なんだろう、とか。このブームの時は好きなバンドがいたのに、次のブームの時は大半のバンドを苦手に感じたんだろう、とか。誰にでもできそうな音楽だからこそ、よけいにその謎が、解き明かせないのかもしれない。で、ここ数年、その謎のトップを占めているバンドのニューアルバムが本作。どこを取ってもとうに知っている音楽なのに、なんでこんなに新鮮で、どの曲にもワクワクハラハラさせられるんだろう。つくづく不思議。でも抗えない。ただ、パンクだけじゃなくて、ロックンロール自体がそういうものだよな、とも思う。あ、本作でさらに音楽性が広がった側面もあり。(兵庫慎司)

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