「変」に優しいふたり

ano『普変』
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ano 普変
ふっと視界に入ると、あっと思って思わず見てしまう人がいる。私にとって、anoはそういう人だ。見ればいつも、彼女だけの独特の時間を纏って存在しているように感じる。前に『水曜日のダウンタウン』の企画で千原ジュニアらが考えた大喜利の答えを、遠隔で指示を受けながら、さも自分が考えたように回答していくanoの姿を見たが、与えられた言葉を即座に自らのリズムに咀嚼して言い放っていく姿はすごかった。固有のリズムを、破綻しないギリギリのバランスで世界に存在させるところが、彼女の美しさに繋がっているのだろう。

新曲“普変”は、尾崎世界観が作詞作曲を務めたシャープなギターロック。演奏は小川幸慈、中尾憲太郎、BOBOが、編曲はTAKU INOUEが担当している。他人への提供曲に《顔出しなんてしなくても どこにでもある歌声で/ありきたりを歌ってれば大丈夫/馬鹿みたいに回ってれば すぐに一億再生突破》なんて歌詞を入れ込む尾崎もすごいが、anoはそれを自らの叫びとして歌い得ている。調和と混沌の境目を知るふたりの表現者のタッグ、相性が悪いわけがない。(天野史彬)

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