昨年6月の大阪城ホール公演の模様を収めた映像作品。2022年は、Saucy Dogにとってあまりにも大きな飛躍の年となった。もちろん、“シンデレラボーイ”の特大ヒットによる追い風は大きいが、あくまでも同曲は、既に始まっていた大躍進を加速させるひとつのきっかけに過ぎない。“結”や“いつか”をはじめとした代表曲を網羅したこの公演を観ると、まっすぐにリスナーと向き合いながら、丁寧に歌心を育み続けてきたバンドの誠実な歩みが改めて浮き彫りになる。特筆すべきは、ツアータイトルにもなった当時の最新曲のひとつ“Be yourself”だ。リスナーの背中を力強く押す直球の応援歌が、360度を客席に囲まれたステージから広大なホールへ所狭しと響く光景は非常に痛快だ。一人ひとりの「あなた」の人生に寄り添いたい。そして、共に走り続けたい。これまでの数々のライブを通して3人の心の中に芽生えたリスナーへの想いは、同ツアーを経て深い確信へと変わり、そしてその覚悟がSaucy Dogを更に大きく覚醒させた。その後に続く昨年後半以降の怒涛の快進撃については、もはや説明不要だろう。（松本侃士）

（『ROCKIN'ON JAPAN』3月号より）

---

ご購入はこちら

Amazon

楽天ブックス

セブンネットショッピング

タワーレコード オンライン

HMV＆BOOKS online

Fujisan.co.jp

他ラインナップはこちら