このところの宮本浩次のソロ活動がとても充実しているからこそ、エレファントカシマシの新作もとても待ち遠しかった。4年9ヶ月ぶり（！）となる新作シングル『yes. I. do』。もう文句なしに胸に沁みるロックンロールである。これまで歩んできた道のり、そこで出会った痛みや喜びのすべてが内包されたとても豊かな歌声が、深い深い説得力と強さを持って曲の頭から語りかけてくるようだ。そして歪んだギターの音色がその歌声と深いところで共鳴するように響く。過去の痛みも日々の迷いも、大きく包み込んでくれるような歌は、今を生きるすべての人の心に触れるものだろう。《yes I do》というシンプルな回答。自分の心が求めるほうに進めという歌。《流れる時にあらがうわけじゃない／弱さにあらがいたいぜ》という歌詞に何度も頷きたくなる。カップリングの“It’s only lonely crazy days”も必聴。繰り返すギターリフとタイトなリズムが生み出すロックのグルーヴはビンテージな艶っぽさを携えてとてもクールだ。《一切合切 It’s alright》と歌う宮本の不敵さに完全ノックアウト。最高。（杉浦美恵）

（『ROCKIN'ON JAPAN』4月号より）

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