「旅」をテーマに制作された、7曲入りミニアルバム。《フロントガラス越しにディープに咲いたシティライト》(“midnight creative drive”)、《白い息で生まれたキャンバスに/描き続けてく夜の街》(“FEB”)など、風景が目に浮かぶ楽曲もあるが、《のってけ のってけ》(“スパークルダンサー”)、《あっちゅうまほらあっちゅうま》(“銀河の果てに連れ去って!”)など、すぐに口ずさめる――つまり楽しい気持ちになれる楽曲もあり、体が移動する「旅」だけではなく、心が飛んでいく「旅」も描いているように感じられる、音楽の可能性が表れた一枚になっている。そこに貫かれている信念は“MYSTERY JOURNEY”の《退屈がくたばる歌をあなたに届けるまで》という一節に集約されているのだろう。“MYSTERY JOURNEY”の、ギターソロから終盤に向かって続いていく不穏な音色が醸し出すミステリー感や、“スパークルダンサー”の、この盛り上がりはサビかな?と思いきやさらに盛り上がるサビが待っている展開など、とにかくワクワクが目白押しの曲調を聴いていても、そう思わずにはいられない。(高橋美穂)
(『ROCKIN'ON JAPAN』4月号より)
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