結成当初からアコースティック編成のsumika[camp session]名義でのライブ活動も時折行ってきたsumika。その[camp session]名義での初音源作品。配信とアナログのみのリリースでアナログには各曲のインストゥルメンタルも収録。一聴してすぐ、これはアナログで聴きたいと思った。各楽器の音色の良さや、それぞれにまろやかな輪郭を描きつつバランスよく耳に馴染むアンサンブルの心地好さはアナログ盤こそ好適。イヤホンではなくスピーカーの音が部屋を満たす感覚を楽しみたくなる音像だ。このアルバムに“知らない誰か”が収録されたことも驚きのトピック。この楽曲は約10年前の片岡健太(Vo・G)のソロ作に入っていた楽曲で、sumikaのライブでごく稀に演奏されることはあるものの、長らく音源化が期待されていた。フィドルやバンジョーをフィーチャーしたアレンジで、柔らかくスウィングするサウンドがとにかく心地好い。“春風”のセルフカバーも歌をじっくり聴かせるスローバラードのアレンジでコーラスワークがじわり胸に沁み入る。sumikaの生音の良さを心ゆくまで味わえる一枚だ。(杉浦美恵)
(『ROCKIN'ON JAPAN』4月号より)
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sumikaの「柔」の魅力を堪能
sumika[camp session]『Sugar Salt Pepper Green』
2023年03月15日発売
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