SNSだけではなく、テレビにまで登場し、あっという間に名前と音を広めつつある、平均年齢19歳の4人組・ケプラ。この半年ぶりのシングルで、さらなる躍進が期待できそうだ。歌はじまりのシンプルなバンドサウンドで、心地いいミドルテンポから、するするとキラーフレーズが耳に流れ込んでくる。《君が横にいて/美味しいものを食べられて/それでいて素晴らしいこの景色を/デザートに虫歯になりたいな》って! さらに《次回予告を待ってる僕はまるで子犬だね》って!! かわいすぎませんか? でも、狙ってやっているようなあざとさを感じないのは、演奏から浮かび上がる佇まいが素朴だからだろう。トドメに締め括りは《その後は特に考えてないけど/成り行き、行き当たりばっかりの/幸せな二人はどうですか?》という、肩ひじ張らない告白がすがすがしい。正直、「19歳」というフィルター越しに見ているところもあるけれど、それが現在の彼らの大きな個性であることは間違いない。のびのびと個性を活かしながら、今作から芽が見える細やかなアレンジや比喩というスキルを磨いていってほしい。(高橋美穂)
(『ROCKIN'ON JAPAN』4月号より)
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