衝撃の先に立ち昇る、時雨の必然

凛として時雨『last aurorally』
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ALBUM
凛として時雨 last aurorally
ロックが時代との親和性を増す中で、常にロックの衝撃と異物として己の爆音と咆哮を鳴らし続け、その一撃必殺の戦慄にとってむしろ、時代に強烈に求められる存在で居続けた凛として時雨。前作『#5』から約5年の時を経て完成した新作アルバムにおいても、それは堂々たる剛性とともに貫かれている。

“laser beamer”や“竜巻いて鮮脳”といった既発曲をはじめ、アルバムの幕開けを彩る清冽なる暗黒=“Super Sonic Aurorally”、『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』主題歌として切迫した衝動をロマンチックに轟かせる“アレキシサイミアスペア”……といった楽曲が描き出す熾烈なるドラマ性は、およそロックの臨界点を超えるほどの途方もない到達点を刻んでいる。そして終盤、静と動のめくるめく展開越しに濃密なセンチメントを編み上げてみせる“Perfake Perfect”、さらにアルバムの終章を圧巻のメランコリアの重力で支配する7分超えの楽曲、“滅亡craft”へ至る流れは、凛として時雨という表現が辿り着いた凄絶なる音の地平のスケール感を克明に物語るものだ。(高橋智樹)

(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年6月号より抜粋)


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