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まず、“into the wind”が象徴的なように、今まで以上にアグレッシブなロックサウンドが前面に出ていることに驚かされた。前作あたりから、メンバー自らが掲げる「ツマミになるグッドミュージック」という音楽性からあえてはみ出していく試みが見られたが、今作はさらに自由闊達な作風となっている。特に、“よしなに”における1分以上にわたる間奏は圧巻で、オルタナティブロックならではの高揚感とスリルを突き詰めていく展開には思わず胸が熱くなった。そしてもうひとつの驚きが、1曲目の“シラフ”である。ライブ中の乾杯が定番化していることもあり、YONA YONAといえばお酒というイメージを持つ人は多いはず。ただ、ありのままの生き方を高らかに肯定する同曲には、お酒を飲める・飲めないを問わず、リスナーを誰ひとりとして置き去りにはしないという彼らの優しさがめいっぱい詰まっているように感じる。温かな包容力を誇るこの曲がセットリストに加わることで、きっと彼らのライブはもっともっと楽しくなる。(松本侃士)(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年8月号より抜粋)
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