『ROCKIN'ON JAPAN』がお届けする最新邦楽プレイリストはこちら
まず、アニメ『範馬刃牙』地上最強の親子喧嘩編のオープニングとエンディングを、今の日本の音楽シーンにおいて最強の師弟関係と言えるSKY-HIとBE:FIRSTがそれぞれ担当するという事実が熱い。トータルプロデュースはSKY-HIだ。勇次郎目線で作られた“Sarracenia”でSKY-HIが不敵で喧嘩上等なトラックに乗せて《夢を越えろ》《本物に飢えろ》《ここまで来いよ》と、獅子の子落としのようなメッセージを放てば、刃牙目線で作られた“Salvia”でBE:FIRSTが哀愁と刹那が混在したビートの効いたトラックに乗せて《失うよりも/重ねるよりも/一番怖いと思うのは/愛された日々ですら/全て忘れてしまうこと》と親子喧嘩を憂う。言葉一つひとつを伸ばしながら、いたずらにコントラストをつけないよう抑制の利いたこれまでになかった歌唱法は、アニソンのひとつのマナーを意識したものだろう。SKY-HIによる愛のある挑戦状を真っ向から受け止めたことで、新たな扉が力強く開いた。(小松香里)(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年10月号より抜粋)
『ROCKIN'ON JAPAN』10月号のご購入はこちら
他ラインナップはこちら