『ROCKIN'ON JAPAN』がお届けする最新邦楽プレイリストはこちら
応援歌と呼ばれる楽曲の多くは、たとえば、音楽を通して「リスナーの人生に優しく寄り添う」「リスナーの人生を鮮やかに彩る」といった役割を担っていたりするが、この曲は、「リスナーの人生そのものが音楽である」という渾身のメッセージに貫かれた楽曲であるように思う。リスナーの人生をひとつのプレイリストやアルバムに見立てたうえで、この曲は、何度も繰り返して《Nowplaying 今これ何曲目?》と人生の現在地を問いかける。そして、今まで以上にスケール感と躍動感を増したカラフルなバンドサウンド(編曲は須藤優)に乗せて、未だ見ぬ《次の展開》へ向けた希望のフィーリングを高らかに打ち鳴らしてくれる。僕は一聴して、「この曲の再生ボタンを押すあなたこそが、この世界の主役である」という輝かしい万能感を授けられた気がしたし、改めて、そう思わせてくれる音楽の眩い可能性を感じた。きっと同曲は、同じように音楽の可能性を信じるリスナーにとって、人生の一部のようなかけがえのない存在になると思う。(松本侃士)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年1月号より抜粋)
『ROCKIN'ON JAPAN』1月号のご購入はこちら