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「the quiet room one-man Tour 2023-2024 "不時着する運命たち"」を経て決意を新たにした、the quiet roomがそこにいた。オープニングを飾るのは、10月から始まるツアーとリンクしている“偶然を抱き寄せて”。歌詞にある《あなたのその瞳にずっと/映りたいんだ 今更気付いたよ》こそ、今の彼らのムードなのだろう。その気運はラストソングの“Overtime”にも繋がっており、どちらも《待ってて》や《離さない》《合図》といった言葉が用いられている。直前に「人生が一枚のアルバムだったとして、今はいったい何曲目なのだろうか」をテーマとした“Nowplaying”が入っていることからしても、最後の一曲が大きな意味を持つことは明白。クワルーは、これまで通り「表情豊かに生きる」を大切にしながらも《君の手は離さない》と覚悟を決めた。観客のためにいいライブをするだけでなく、《生きる理由》になる歌を歌っていくと《柄にもなく決意なんてしちゃった》のだと、今作を通して表明しているように思えてならない。(坂井彩花)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年11月号より)
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