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いつ如何なるときもグッドバイブスとナイスグルーヴを振り撒き続けてきたNulbarichだが、もしかすると立ち止まってしまうことこそ、最も恐れていることなのかもしれない。約3年ぶりとなるアルバム『The Roller Skating Tour』は、しなやかな推進力の裏側にもべったりと粘り気のある情緒がへばりついた作風となっている。1970年代に流行したローラーディスコ文化の甘くロマンチックな記憶を背負い込んだ“A Roller Skating Tour”。煌びやかなダンスサウンドの中で悪ふざけするほどに悪夢からの逃避を切実に浮かび上がらせてしまう“DISCO PRANK feat. Leo Uchida（Kroi）”。既発曲もアルバム全編のエモさをそれぞれの角度から演出するピースと化している。さながら一本の重厚なロードムービーのように構成されたアルバムは、“Skyline”～“Home”という感動的なクライマックスを経て何度でも旅立ちの朝に立ち返るようだ。この終わらない旅の物語は、年明け早々に始まる同名ライブツアーで真価を発揮するだろう。（小池宏和）（『ROCKIN'ON JAPAN』2024年2月号より抜粋）
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