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ロッテ チョコレートの60周年を記念したCMソングにしてAdoの新曲。単にAdoの楽曲がCMに使用されただけではなく、最初からCMのためのオリジナル楽曲であり、CMではその一部が流れるファンタジー調のアニメーション映像をMVとしているなど、従来のCMと音楽の関係とは趣を異にしており、合わせてひとつの作品と言っていい(企画・プロデュースは『君の名は。』などで知られる川村元気氏)。映画やドラマならまだしも、同一の世界観を持ち相互作用するCMとCMソングがほぼ同時に世に出る“ショコラカタブラ”のケースはとても珍しく、Adoのこれまで確立してきた唯一無二の立ち位置あってこそ実現した、新たな広告の形と呼ぶに相応しい。TAKU INOUEによるサウンドはミステリアスな始まりからディスコやファンク、EDMなど目まぐるしく表情を変えるが、緻密に声色を使い分けたAdoの歌唱は曲に寄り添うばかりでなく、まるでコンダクターとして全体を司り景色を変えていくかのような存在感を見せている。(風間大洋)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年4月号より抜粋)
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