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3月にリリースされた1stフルアルバム『覚悟を決めろ!』は文字通り決意表明作だったわけだけれど、今回の2nd EP『あの夜のはなし』は、またも読んで字の如く、もっと日常的というか本質的(とことん素直!)。これまでも《タイムセール》《スケボー》とか、楽曲に日常的なワードをちりばめてきた彼女たちだけれど、覚悟を決めたことで、日常の描き方、鳴らし方も、少しずつ変化してきたように聴こえてくる。『あの夜のはなし』と題された中に、いろんな夜と、いろんな感情が刻まれている。《バカな奴らの言葉さえ》《この歌の意味になる》と逞しく歌いあげる“作戦会議”。かと思えば、《勇気はいつだってあるさ》《出せるかどうかは自分次第、わかってる》と葛藤する“ひとりぼっちと廊下の窓”も。最重要ポイントは、そんな日常をライブハウスで分かち合える“ハイエースナンバー”がラストナンバーであること。日常の延長線上にライブハウスがあり、彼女たちも私たちも、そこを目指して生活を営んでいることを噛みしめるEP。(高橋美穂)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年11月号より)
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