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TVアニメのエンディングテーマとして書き下ろされた曲だけれど、まずアニメの作品名『どうせ、恋してしまうんだ。』がマルシィにぴったりすぎる。マルシィはいつも「どうせ」「してしまう」といった理性を飛び越えて感情が先走ってしまう恋のきらきらを歌っているから。しかも、今回歌われている恋は片想い成分が強めで、切なさまでたっぷりちりばめられていて、聴いているだけで胸が苦しくなってくる。《抱きしめたいよ/ねえ会いたいよ/見てるだけじゃ耐えられないよ》という心からどうしても漏れ出てくる気持ちをこんなにクリアに届けられるバンドが他にいるだろうか。吉田右京(Vo・G)の歌と3人で紡ぐ音はどこまでも真っ直ぐで、Aメロのちょっとくぐもったサウンドも、恋したときの視界のような眩しいピアノも、想いが溢れるかのようにサビで揺らめくストリングスも、曲が描き出す景色をどこまでも光らせていて、この耳を掴んで離さない。この曲でもマルシィに恋してしまった。(畑雄介)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年3月号より)
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