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映画『俺ではない炎上』の主題歌として書き下ろされ、バンドが「ここまで言って良いのかなと思うくらい炎上についての思いをぶつけた曲」と述べる通り、3分強の尺の中、間奏無しに夥しい量の熱き言葉が吐き出される楽曲だ。《生贄のよう 偽善の迷路 否定は威勢よくダダダ連呼/指だけ動かす無力な兵隊 次は誰の番だ?》《被害者ヅラの傍観者/煽ってバズった思考停止のカバ🦛》など、社会問題化して久しいSNSでの炎上を生み続ける「匿名の様々な立場」をことごとく否定していく。そして、客観だけでなく《燃やされて残るものを知れ阿保/焼け跡 裸足で/癒えないまま 灯す証を Wow/叩きたいだけ ただの娯楽だろ?/俺はここ お前今どこ?笑笑》と炎上に対峙する己の姿勢が表明される。炎上と常に隣り合わせの今日を生きる当事者としての、闘いの歌だ。また、リリックの変遷に合わせ速いBPMの中で細かく変化していくリズムも秀逸。「否定」も「肯定」も120%で鳴らし切るWANIMAは、パンクバンドとして圧倒的に正しい。(長瀬昇)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年12月号より)
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