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ラウドロックの爆音には攻撃性だけでなく、抒情性、哀愁、繊細な美、飛翔感、没入感なども含まれる。このニュアンスは名店のカレーの本質が辛さの追求ではなく、スパイスの複合作用で醸し出す豊かな風味であるのと近いのかもしれない。そして、Fear, and Loathing in Las Vegasの曲を聴くと、このようなラウドロック観が間違いではないと再認識できる。重低音による土台にシンセ、オートチューンをかけた声、シャウト、スクリーム、トリッキーなリズムチェンジ、多彩なハーモニーなどを絶妙なバランスで添加する彼らの音楽は、心と身体を全面的に解放できるとても自由な世界だ。約3年半ぶりのアルバムである今作も、爆音の波状攻撃による興奮が清々しい恍惚と化す瞬間の連続。1曲目“Overwrite”を皮切りに、耳も心も忙しくときめき続ける。文字にすると散らかった印象の「ゲロゲロのヘドバンと至福のダンスの合わせ技」という表現もつけ加えておきたくなる。実際に聴いたら、これがそんなに的外れではないとわかると思う。(田中大)(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年7月号より)
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