エレポップ・スヌープ

スヌープ・ドッグ『不思議の国の魔リス』
2009年12月09日発売
ALBUM
スヌープ・ドッグ 不思議の国の魔リス
スヌープがオート・チューンを使って歌ってみせた“セクシュアル・イラプション”はある意味衝撃的だったが、その前作『エゴ・トリッピン』を最後にプライオリティへと移籍して臨んだのが本作。前作はテディ・ライリーやDJクイックを重用した観もあったが、今作はまんべんないプロデューサー起用法に戻っている。特に目玉はリアーナの“アンブレラ”を書いたザ・ドリームで、そのザ・ドリームの手掛けた変則的なリズムを強調したエレクトロ・ファンク風の“ギャングスタ・ラヴ”がずばりリード・シングル。仮にもウェッサイの親分格なのにそこまで時流に乗っかっちゃっていいのって感じだが、これがまたおそろしくキマるので許さざるをえない。ひさびさな「ギャングスタ」というフレーズをこれほどポップなチューンで聴くのも変な感じだがスヌープのいなせなフロウになぜかこの音がまたよく合ってしまう。そこにニーヨ的甘いメロがかぶさってくるのだから、これは今年の最強シングルのひとつかも。前半は新しめ、後半は手堅くというパターンだが、締めのネプチューンズのトラックの厚めな音のシャッフル感も非常によい。(高見展)
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