「場」としてのデ・ラ・ソウル

DE LA SOUL『AND THE ANONYMOUS NOBODY』
発売中
ALBUM
DE LA SOUL AND THE ANONYMOUS NOBODY
最高。デ・ラ・ソウルのメンバー3人が揃ったアルバムとしては実に12年ぶり。というか、こんなふうに「平熱にして珠玉のデ・ラ節」を伝えてしまう彼らは、21世紀に入って初めてなのではないか。これこそがデ・ラ・ソウルだ、と長年のファンも胸を張れる一枚である。ポスとトゥルーゴイによるファースト・サーヴの後、彼らは過去作をフリーDL提供したり、チャック・Dとのコラボ曲”ザ・ピープル”を発表(偶然にもファーガソン事件の騒動に嵌る一曲だった)したのだが、新作はクラウドファウンディングを元手に生み出された。つまり、これまでの歩みと世代感覚を再確認していた彼らが、「人々に求められているデ・ラ・ソウル」への資金援助と合致して制作されたアルバムなのである。以前、このアルバムの仮タイトルは『You're Welcome』とアナウンスされていた。スヌープや2チェインズといったゲスト・ラッパー、それにエステルやリトル・ドラゴンといったシンガーとの共演も素晴らしいが、ザ・ダークネスのジャスティンとデヴィッド・バーンが立て続けに登場するロックな中盤も燃える。懐の深さを見せつけた傑作だ。(小池宏和)
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