現在フェイス・ノー・モアの再結成ツアーで世界中を興奮させているマイク・パットンだが(日本には来ないんですかね……泣)、そんな中ひさびさにソロ名義でアルバムを発表する。『モンド・カーネ』と題された本作は、以前からファンの間で噂になっていたもので、なんとオーケストラをバックに配し、全編をイタリア語で歌うという内容。
このところファントマスやピーピング・トム、さらにはサントラなど様々な形態で多彩な才能を示して来たパットンだが、その多くはアヴァンギャルドだったり、ヒップホップだったり、要するに歌い上げる要素の少ないものだった。それはそれでもちろん十分に刺激的ではあったものの、なにしろ素で素晴らしいシンガーであるだけに、徹底的に歌いまくるやつもそろそろ聴きたい……という欲求が密かに高まっていたことも確か。今作はまさに待望のボーカル・アルバムと言える。
とはいえ、ディナーショー的なものとか、オペラに挑戦!みたいになるはずはなく、ループ風のリズム・トラックや歪んだトーンのギターを組み合わせてみたり、随所に冒険心は失ってないのも流石だ。(鈴木喜之)