退化の快進撃だ!

ディーヴォ『サムシング・フォー・エヴリバディ』
2010年07月07日発売
ALBUM
ディーヴォ サムシング・フォー・エヴリバディ
03年のサマソニで初めて御姿を見れた時はそれだけで大満足だったが、5年後の再来日公演では強烈な現役感を確認できたので、20年ぶりに新作完成との報を聞かされた時にも不安は全く無かった。この新作にはザ・バード&ザ・ビーのグレッグ・カースティンほか外部スタッフがかなり参加しており、彼らの協力によって自身の表現を客観的に見るように努めたとのことだが、成果は確実にあったと思う。それはまた、自らが影響を与え触発した若い才能からフィードバックを回収するような作業でもあったのではないだろうか。ともかく、ペロンペロンのギター、ビヨンビヨンのシンセ・ベース、おどけた調子のボーカルなど、まさしくディーヴォ以外の何物でもないヘナチョかっこいいサウンドはそのままに、全曲が恐ろしくビビッドな響きを獲得している。青くなったエナジードーム同様、フレッシュ!な感触を与えてくれるのだ。さらに“ノー・プレイス・ライク・ホーム”のような新しいパターンもあったりするから侮れない。

新コスチュームではグレーのヘンテコなマスクを被っている皆様。こんな還暦を迎えたいです。(鈴木喜之)
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