アーティスト

    揺るぎなき「王道」へ

    バンド・オブ・ホーセズ『インフィニット・アームズ』
    2010年07月28日発売
    ALBUM
    バンド・オブ・ホーセズ インフィニット・アームズ
    06年にサブ・ポップから出た1stは、インディ然とした瑞々しさも魅力な、モダン・サイケの佳作だった。それが、次の2ndで音楽性のスケールを広げ、瞬く間に成功を収め、今やアメリカン・ロックの王道たる風格まで湛えている。すでに全米チャート初登場7位を記録したメジャー移籍作の本作は、その評価を揺るぎないものとするだろうし、またフリート・フォクシーズ辺りの登場を契機に現象化した、00年代以降の現代アメリカーナの正統を継ぐ重要な一枚となるに違いない。現在の5人編成になって初の作品ということだが、そこに大きな変化はない。サウンドの厚み、重心の安定感、歌やメロディの懐深さ――幹が逞しさを増し、枝葉を雄々しく茂らせるように、バンドのあるべき姿を追い求める愚直さが、彼らの音楽を変わらず支えている。そんな気骨を感じさせるところにもエディ・ヴェダーは惚れ込んだのではないだろうか。また、共同プロデューサーにフィル・イーク(ザ・シンズ、F・フォクシーズetc)を迎え、ハーモニー・コーラスの美しさに磨きがかけられたのも本作の特徴か。2度目の来日となるサマソニのステージに期待が高まる。(天井潤之介)
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