ブルックリンの2人組、ナイト・スクールによるデビュー・アルバム。このバンドをはじめて知ったのは、ザ・ドラムス“レッツ・ゴー・サーフィン”のナイト・スクール・バージョンを聴いたときだった。サビのヌケ感だけを思いっきり強調したようなアレンジぶりに、好感を持った。で、届いたアルバムはというと、想像以上によかった。ブルックリンをベースにしながら、その音楽性はむしろノー・エイジあたりに近いかもしれない。この「ブルックリンっぽくなさ」もドラムスに通じる部分があるが、とにかくローファイでラフなギター・ポップである。本国でのレーベルがサンフランシスコのローファイ・トリオ=ノッズ主宰のメイク・ア・ミスだというのも、非常に納得できる話である。そういうバンドなので、もちろん音楽的画期性とか斬新さとか時代的必然、そういうものとは無縁である。30分にも満たない時間を、思うがままにギターをかき鳴らして駆け抜ける、手触りも質量も「軽い」レコードだ。だが、その「軽さ」、言葉を換えれば「自由さ」こそが美しいのだということは、2010年のいま、ドラムスがすでに証明してくれている。(小川智宏)