最近ではアーケイド・ファイアのブレイクによって、自らが立ち上げ運営してきたマージもすっかり世に知れ渡り、マックのポータスタティックでの活動もあわせてUSインディ復興の親分的役割も果たしてきたスーパーチャンク。前作からじつに9年という年月が経っているが、いや、『フーリッシュ』から数えれば16年が経っているわけだが、これを聴くと、誰もが一瞬で「あの頃」に引き戻されるはずだ。サウンドが古いとか、懐古的だということではない。メロウなスーパーチャンク、実験的なスーパーチャンク、愛や退屈を歌うスーパーチャンク。そのどれもがぎゅっと凝縮された、濃い1枚。誰もが、自分の好きなスーパーチャンクを見つけられると思う。
たとえば誰にとっても、初めて大好きになったバンドというのは大事なものだ。年をとっても彼らが老いたサウンドを鳴らさないのは、その気持ちをよくわかっているからなのかもと思う。そして彼らはいつだって、そのフレッシュな気持ちと音楽の初期衝動をがっちりと結びつける。少しずつ変わりながら、しかし時代が変わってもけっして変わらない、老舗の安心感と驚き。(羽鳥麻美)