楽園再び

ブライアン・フェリー『オリンピア』
2010年10月20日発売
ALBUM
ブライアン・フェリー オリンピア
1曲目から、マニとフリーとマーカス・ミラーがベースを弾いている(笑)――と、思わず笑っちゃうくらい贅沢なバック陣。2曲目でイーノも登場し、以下、デイヴ・ギルモア、ナイル・ロジャース、クリス・スペディング、ジョニー・グリーンウッドらに、もちろんロキシーのマンザネラとマッケイ、そして息子とそのバンドメイトまでが脇を固めている。ただ、これだけの人々を参加させながら、ここに収められた音楽は、全てが完璧なまでに「ブライアン・フェリー」で、それ以外の何物でもない。90年代に入ってからは、さすがに往事の勢いは無くなった印象もしていたが、再び波が巡ってきたのか、今作はまるで到達点『アヴァロン』~『ボーイズ・アンド・ガールズ』に直結したようなムードさえ漂わせている。65歳にして恐るべし……と感嘆しつつ、ロック界で最も老人力を発揮し易いスタイルなのかも、とか思ったり。

実はフジでは、初期ロキシーを勝手に期待して(そのうえ冒頭の2曲を見逃した)肩すかしをくらった気持ちになっていたりもしたのだが、今作の堂々たる出来映えの前には、ただただ平伏すしかない。(鈴木喜之)
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