グッド・シャーロットの大航海

グッド・シャーロット『カーディオロジー』
2010年10月27日発売
ALBUM
グッド・シャーロット カーディオロジー
それこそマルーン5かってくらいの美メロ・ナンバーであるリード曲“ライク・イッツ・ハー・バースデイ”をはじめ、図太くも清冽なロック・ソング“レット・ザ・ミュージック・プレイ”、モータウン・ビートの“シルヴァー・スクリーン・ロマンス”、雄大なバラード曲“スタンディング・オヴェイション”、アコギとともに軽快に疾駆する“1979”……グッド・シャーロットのキャピトル移籍第一弾となる今作を聴いていると、ほんの5~6年前までグリーン・デイとともに「次世代ネオ・パンクの主流」だったことを思わず忘れそうになるくらいだ。だが、己のメロディの輝度を思うさまぶん回しながらロック大平原を闊歩するGCの今作が決してレイドバックでも安易な転向でもなく、彼らの新たな音楽的な冒険である――ということは、そのメロ1つ1つの淀みなき研ぎ澄まされ加減を聴けば一発でわかる。というか、パンク・スピリットをロックの「武器」としてではなく、己の音楽を極限まで鍛え上げるためのツールとして持ち替えたことで、ロックと歌を未体験のレベルへと導いてみせた――そんな骨太な手応えを与えてくれる快作。(高橋智樹)
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