シーンを占う重要作

トロ・イ・モワ『アンダーニース・ザ・パイン』
トロ・イ・モワ アンダーニース・ザ・パイン
昨年の「Les Sins」名義の作品がダフト・パンクも彷彿させるフィルター・ハウスな感じだったので、さて如何に!?と興味津々だった2nd。所謂グローファイ~チルウェイヴの代表作となった1stのムードは湛えながら、ビートはさらにゆるくムーディに。資料には「Carpark版アリエル・ピンク」ともあるが、AORや80sポップ、西海岸ソウル、アシッド・ジャズetcが濃縮されたサウンドは、なるほどいかがわしいほど甘ったるくサイケデリックだ。個人的にはステレオラブのラウンジ~モンド趣味も連想させる。パンダ・ベア以降とも言えるサイケデリックなエレクトロ・ポップの潮流は、かたやダブステップやダークウェイヴを触媒としたウィッチ・ハウス、あるいはトリップホップをリエディットしたようなザ・XXとギル・スコット・ヘロンのコラボまで多様な展開を見せるが、本作はそれらとも、氾濫するグローファイ~チルウェイヴの模造品とも異なる。その背景には、チャズ自身のトランス・カルチャライズされたルーツの影響もあると思われるが……ともあれ、本作と来たるネオン・インディアンの新作は、この界隈の重要な試金石となるだろう。(天井潤之介)
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