4月下旬まで続く長い全国ツアー中のザ・クロマニヨンズから、突然届いた両A面のシングル2曲。結成してからの5年間、シングル→アルバム→ツアーという順番を繰り返してきた彼らが、こんな時期にリリースをしたのは初めてである。ヒロトとマーシーはツアー中に曲作りはしないから、きっとその前にちゃんと録っておいたのだろう。嬉しいプレゼントだ。マーシー作の“流線型”は、サビの《ビューン　ビューン》という超シンプルな擬音にロックの夢を詰めて、遠い宇宙まで飛ばすミディアムナンバー。ヒロト作の“飛び乗れ!!ボニー!!”は、タイトル通りダッダカダッダカと疾走するカントリー調のビートに乗って、逃避行を始めるふたりの物語を力強いコーラスが追いかけるノスタルジックなロックンロール。この2曲を聴くと、そう言えばアルバム『Oi! Um bobo』にも、“キャデラック”“伝書鳩”“南南西に進路をとれ”と、旅や移動のイメージが実はたくさんあったと思い当たった。それは偶然ではなく、人生＝ロックンロールを続けていくためのひとつの意志表明だったのだ。早くライブで聴きたい。（松村耕太朗）