歴史的な名曲も含むサード

ルーペ・フィアスコ『レイザーズ』
2011年04月06日発売
ALBUM
ルーペ・フィアスコ レイザーズ
カニエ・ウェストやジェイ・Zらに見出されたルーペ・フィアスコ待望のサード・アルバムが本作。09年には自身にとっての最終作品となる『LupE.N.D.』をリリースすると表明したりしてしばらくゴタゴタして4年ものブランクが空いてしまったが、ルーペ自身はジャパニーズ・カートゥーンというロック・バンドも立ち上げていて、今作はそんなルーペの音楽趣向をよく表わした内容の作品になっている。ロック的なエッジやポップさも感じさせながら、オーセンティックなヒップホップも同時に聴かせるレンジの広い内容で、しかもどのテイストも付け焼刃的でないところが大きな説得力となっている。客演のスカイラー・グレイのフックがリアーナ的に強力な“ワーズ・アイ・ネヴァー・セッド”やロック的なエッジを聴かせる“ステイト・ラン・ラジオ”など意匠の凝ったトラックが勢揃いしている。でも、抜群なのがハウスのドラム要素のみを前面に打ち出したようなサウンドにアフリカ系としてのメッセージをフロウとして託す“オール・ブラック・エヴリシング”でこれは必聴の名曲。ジョン・レジェンドで締める最終曲もあまりにも秀逸。(高見展)
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