ヘルメットは、90年代ヘヴィ系バンドの中でも特に重要な存在のひとつと言い切れる。リアルタイムで彼らを知らない人も、当時のドラマーが現バトルスのジョン・スタニアーというだけで、彼らが全く独自のグルーヴを持つ希有な存在であったことは想像できるだろう。リーダーのペイジ・ハミルトンは、バンドの音楽性を概ねコントロールしながらも「リズム隊とのコンビネーションが自分達のオリジナリティにとって非常に大切」と語っていたが、結局は他のメンバーとの関係性を維持できず、いったん解散。その後、04年に元NINのチャーリー・クロウザーの助力を得て復活し、現在まで地道に活動を続けている。
再始動後の作品は、完全にペイジが1人でバンドを支配しているためか、往年の神懸かり的な瞬間を完璧に取り戻しているとは言い難いこともあり、以前からのファンは微妙な気持ちになったりもするようだが、それでもペイジの新たなトライアルは、現在のヘルメットにおいても一定の成果をあげつつあることが、この最新作を聴くと分かる。
もうすぐ行なわれる来日公演を、ぜひ観に行ってください。(鈴木喜之)