「心と体、どちらに響くのが本物の音楽か?」という根源的な問いに、いま最も真正面から向き合っているバンドの一つがこのa flood of circleである。この度メジャー/インディーズ2枚同発シングルのうち、後者として放たれる本作の表題曲は、6月にリリースされたミックス・アルバム『AFOC THE MIX』に26秒間だけ姿を現した楽曲のフルVer.。すでにライヴでは披露されているが、衝動を迸らせながら走る様はバンド最初期を彷彿とさせる。だが一方で『Human License』以降のダンサブルな感触も顕著で、新加入のHISAYOが繰り出す重厚なベース・リフが楽曲をグイグイと引っぱっていく様子は、これまで以上に直接的な身体性を感じさせる。そもそも遅効性のブルースの核にあるのは、何よりも心に響く情感である。afocの音楽はその情感を武器に、そしてブルースに魂を捧げたままにどう速効性を与えていくのか、という命題と常に戦ってきたわけだが、ここへ来て心を通さず体を直撃するグルーヴを手に入れたことで、心身両面からの挟撃が可能となった。身も心も奪われては、聴き手は身を任せて踊るしかない。(井上智公)