枯れそで枯れないキャレキシコ

キャレキシコ『キャリード・トゥ・ダスト』
2008年08月27日発売
キャレキシコ キャリード・トゥ・ダスト - キャリード・トゥ・ダストキャリード・トゥ・ダスト
前作『ガーデン・ルーイン』は何故かあんまり繰り返して聴くアルバムにはならなかった。もちろん、リリース後の来日公演は楽しんだし、決して悪い作品だとも思っていないが、バンド名に象徴される「多国籍にして無国籍」な彼らの持ち味が、ほんのちょっとだけ本国アメリカに根付いたような雰囲気を感じたというか、少なくとも自分が彼らに求めているものとは少しズレていると思えてしまったのかもしれない。

実際、ジョーイ・バーンズとジョン・コンヴェルティーノの2名を中心としてきたキャレキシコの歴史において、前回は初めて他のミュージシャン達との共同作業を増やし、バンド感を重視してレコーディングに取り組んだという背景があったらしい。彼ら自身もアプローチの変化についてはハッキリ自覚していたそうで、今作では再び「2人が当初に求めていた方向性や感性を見逃してしまわないよう」1曲につき参加させるミュージシャンは1人くらいに押さえる体制をとったのだという。

さっと聴いただけで「あ、これこれ」という言葉が出てきそうなほどしっくりくる。また大好きなキャレキシコが聴けて、嬉しい。(鈴木喜之)
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