アメリカーナの未来を示す

キャレキシコ『ザ・スレッド・ザット・キープス・アス』
発売中
キャレキシコ ザ・スレッド・ザット・キープス・アス
ニーコ・ケースや、アイアン&ワインのサム・ビームなど大勢のゲストを迎えてコラボレイティブな展開を見せた前作『エッジ・オブ・ザ・サン』から3年ぶりとなるニュー・アルバム。レコーディングは北カリフォルニアで行なわれ、再びバンド中心の体制で進められたようだが、外部からの影響を取り込んで反映させ、さらに多様なサウンドに自ら取り組む方向へ進んだということがわかるだろう。ジョーイ・バーンズは「これまで作ってきたものより、少し多めにカオスとノイズがミックスされてるんだ」と証言している。

これまで通りの、いかにもキャレキシコらしい風情を保ちながら、いきなり1曲目からギターがちょっとデヴィッド・ボウイの“ヒーローズ”風だったり、5曲目ではレゲエ調ディスコ・ビートにのせてラップっぽいボーカルを披露していたり、12曲目は以前には無かったようなヘヴィなサウンドを鳴らしていたりと、随所で新たな試みが行なわれていて、特に熱心なリスナーには新鮮に響くと思う。いつもキャレキシコの新譜はジワジワよくなってくるパターンが多いので、今回も時間をかけながらじっくりと消化したい。(鈴木喜之)
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