前身バンドでスクリーモ系の音楽をやっていたが、メンバーの脱退により現在の音楽性へとシフトしたというキャピタル・ライツ。仲間内のバンドに合わせた曲から、自分たちが100％やりたいことを詰め込んだというその曲は、キャッチーなメロディが光るポップ・ロック。その後、憧れのMXPXが所属するトゥース＆ネイルと契約し、同レーベルの若手バンドを多く手がけるアーロン・スプリンクル・プロデュースのもと、このデビュー・アルバムを制作した。

エネルギッシュなギター・ロックにストリングスやピアノが絡むバラッド、踊れるエレポップやコーラスがカラフルなポップ・ソング等など、楽曲に施されるアレンジはシンプルだがバラエティに富んでいて、且つ各曲の平均点が高い。一枚の作品としてクオリティの高い仕上がりで、耳に心地好いアルバムだ。ただ――キャピタル・ライツに限ったことではないが、ニューカマーでも、全科目でハイスコアをとるような優等生バンドが多いな、という印象がある。器用さよりも、ちょいとデキの悪いイビツさがあったり、ヒネくれたやつに愛情を注ぎたくなるのは、へそ曲がりなんだろうか。（吉羽さおり）