目下全国ツアー敢行中のKREVAによる、タイトルどおりにMIX CDシリーズの第2弾。念のために説明しておくと、KREVAのヴォーカル作品のベスト盤ではなく、バック・トラックのノンストップ・ミックスである。KREVA自身が作曲を手掛けたナンバーの数々を、DJ908がミックスするという彼らしいこだわりのパッケージであり、リリース順で言えば“くればいいのに”からアルバム『GO』収録曲までのトラックをセレクト。きっちりとリマスター音源を採用し、DISC 2にはセパレートのインストを収録するスタイルも前作を踏襲している。
　
心地よく交わりながらフックを残してゆくメロディ・ラインと、刺激だけには終始しない、楽曲のエンジンたる高品位なビート。KREVAのトラック・メイキング技術の向上は、前作と比較してみれば一聴瞭然だろう。かつて彼は、サンプラーのメモリー容量による制約に苦心したと語っていたことがあったが、ソフト・シンセ大活躍の今日にあっても、当時の経験が「音を選び抜く」作風として息づいているのだ。流麗なミックスの手腕にも、溜め息が漏れる。（小池宏和）