音の要素だけを考えると、ブロック・パーティー〜フォールズの継承者とも呼べるだろう。けれどこの、たとえばまったく憂鬱を抱え込んでいないようなところや、複雑で緻密なサウンドスケープや幾通りにも解釈できるような文学的な歌詞に走ってしまわないところが、とてつもなく爽快なのだ。何しろ、「いつかパリに住みたい」とか「恋の病だ」とか、そんなことばかり歌っている。しかし、そんなどこにでもありそうで、じつはなさそうな、どうでもいいようなことこそがポップ・ミュージックの醍醐味であり、そこに呑み込まれてしまいたい、と思わせるものなのだ。そういうわけでこの人達は、どちらかと言うと、(サウンド面がということではなく)フランツ・フェルディナンドやシザー・シスターズ、!!!が持つ快楽性に近いものを宿している。けれどもそれを力むことなく飄々と放ってみせる、そんなスマートな新世代である。(羽鳥麻美)
つぎはぎの魔法
フレンドリー・ファイアーズ『フレンドリー・ファイアーズ』
2008年09月24日発売
2008年09月24日発売
音の要素だけを考えると、ブロック・パーティー〜フォールズの継承者とも呼べるだろう。けれどこの、たとえばまったく憂鬱を抱え込んでいないようなところや、複雑で緻密なサウンドスケープや幾通りにも解釈できるような文学的な歌詞に走ってしまわないところが、とてつもなく爽快なのだ。何しろ、「いつかパリに住みたい」とか「恋の病だ」とか、そんなことばかり歌っている。しかし、そんなどこにでもありそうで、じつはなさそうな、どうでもいいようなことこそがポップ・ミュージックの醍醐味であり、そこに呑み込まれてしまいたい、と思わせるものなのだ。そういうわけでこの人達は、どちらかと言うと、(サウンド面がということではなく)フランツ・フェルディナンドやシザー・シスターズ、!!!が持つ快楽性に近いものを宿している。けれどもそれを力むことなく飄々と放ってみせる、そんなスマートな新世代である。(羽鳥麻美)