スペイシーな他流試合の記録

ザ・フレーミング・リップス『ザ・フレーミング・リップスと愉快な 仲間たち』
2012年07月25日発売
ALBUM
ザ・フレーミング・リップス ザ・フレーミング・リップスと愉快な 仲間たち
契約更改が長引いたことで、フレーミング・リップスが一時的に「インディ・バンド」になった昨年。その小回りが利く状況を活かし、1年にわたり特殊リリース(USBスティックが仕込まれたグミ他)、新テクノロジーとの戯れといった実験に旺盛に手を伸ばしていった、その果実が本作(元々は今年のRレコード・ストア・デイSD向けに発売された限定2枚組アナログ)になる。

収録曲はすべてコラボで、呼びかけに応じた共演相手は敬愛するヴェテラン(ヨーコ・オノ)からメインストリーム(ケシャ)、無名に近いインディ勢まで多彩。友達の輪の広さにこのバンドの徳を感じるし、ひらめきやノリ重視のDIYかつゲリラ的レコーディングを敢行したヴァイタリティにも頭が下がる。音楽的にはエレクトロ/前衛寄りな昨今の作風が反映されたフリーキーなジャム集……といったところだが、②(ボン・イヴェール)、④(プレフューズ73)、⑤(テイム・インパラ)、⑦(ニック・ケイヴ)など優れた成果も生んでいる。中でも興味深いのはアリス・コルトレーン的なコズミック・ミュージックを鳴らすエリカ・バドゥとの⑪で、リップス次作の指標になることを大いに期待する。(坂本麻里子)
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