デビュー・シングルにして全世界で1200万枚セールスを達成した出世作シングル“ファイアーフライズ”の高純度な高揚感を、『オーシャン・アイズ』『ブライト&ビューティフル』と作品を重ねていく中でポップど真ん中の祝祭感と織り重ねてきた、アウル・シティーことアダム・ヤング。前作から約1年のスパンで届いた新作は、リアーナ等を手掛ける辣腕プロデューサー=スターゲイトを迎えた“シューティング・スター”あり、シングル“コール・ミー・メイビー”大ヒット中のカーリー・レイ・ジェプセンとのコラボを実現させた超高気圧型サマー・チューン“グッド・タイム”あり、アダムが「かつてのヒーロー」と公言するブリンク182のマーク・ホッパスをフィーチャーした“ディメンシア”あり……といった多彩な楽曲でUS屈指のポップ・クリエイターぶりを提示する快盤。であると同時に、そのメロディと音像越しに「真夏の多幸感」だけでなく、リスナーの心の中の、それこそトトロの森のようなイノセントな思い出に満ちた場所の在り処を真っ直ぐに指し示してくるような、凛とした磁場を備えてもいる。つくづく不思議な人だ。(高橋智樹)